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2012年10月 2日 (火)

1998年暮れの磐田駅北口

【コーヒー・ブレーク】 

初めてこの駅に降り立ったのは1998年12月30日。遠州の空っ風の手荒な歓迎に肩をすぼめながら、新しい勤務先までの20分強を歩いた。もう年末休みに入っていたため建物の中には入れなかったが、外から窓越しに新しい仕事場を目に焼き付けて来た。

磐田駅は古い木造駅舎で、南口はまだなかった。北口の改札を出ると、すぐ左側に花壇とトイレがあった。今の駅舎の中にあるベーカリーも本屋も当時はまだなく、ファミリーマートの場所にはむしろ「売店」に近いローカルなコンビニがあった。駅前広場は今と同じタクシー乗り場とバス停だったが、くれたけインはまだなかった。駅を出た右前方にはパンやサンドイッチなどを売る洒落たガラス張りの店があり、二階では軽食やコーヒーを出していた。駅前通りを北へ行くとすぐにモスバーガーがあり、午後は高校生で賑やかだった。その先には郵便局もあってなかなか便利だった。駅前通りはまだ再開発の前で、つばさ証券の支店、古い和菓子屋、青果店、道具屋などが並んでいた。後日この道具屋で小さなテーブルを買い、店主にアパートまで届けてもらった。駅前から北へ横断歩道を渡ったところにはミスター・ドーナツがあり、朝食をとるために入ると、よく米国人の同僚と出くわした。

駅を出て線路沿いの道を西へ向かい、広い道を北へ1ブロック行くと、角に洋菓子を出すちょっと洒落た喫茶店があった。昼休みにはよく磐田信用金庫の職員が来ていた。広い道まで戻ってまた浜松方面へ10メートルほどのところに、長浜という古い鰻屋があった。通りがかりに外から覗くと老店主が鰻を焼いているのが見えた。いつか行ってみようと思っているうちに、何時の間にか閉店してしまった。

最後にこの駅を後にしたのは2010年11月15日。小春日和の穏やかな午後だった。病を得て休職中であったが、ここまで来る事ができるのか確かめたかった。だがそれはとても無理だと思い知らされた日だった。いつか又ここに来る事があるとすると、その時駅はどんな表情を見せているのだろう。そして今の磐田駅もあっという間にタイム・トンネルの彼方に飛び去って行くのだな、と思った。

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