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2009年7月10日 (金)

日蓮とムハンマド

 日蓮宗とイスラム教は、いずれも他宗教・他宗派に対して非寛容的なイメージがあるが、それ以外にも共通点が多いことに気がついた。

(1)宗派創設直後から急速に勢力を拡大したこと。どちらも宗祖自身のカリスマ的資質を背景として、既存の宗派が視野に入れていなかった、現世に絶望した階層に浸透した為だ。

(2)宗祖死去直後に会派が分裂したまま今日に至っていること。日蓮宗は日蓮入滅直後、法華経の解釈をめぐって「一致派」と「勝劣派」に分裂した。イスラム教もムハンマド死去直後、教義継承の正統性をめぐって「シーア派」と「スンニ派」に分裂した。

(3)分裂した会派のうち一方が教典に忠実な道を、他方が他宗教・宗派に対して融和的な道を歩んだこと。日蓮宗では、「一致派」の中から他宗派との同席さえも認めない、法華経原理主義とも言うべき厳格な「不受不施派」が派生し、「勝劣派」からは、後世に至って、現実の社会において活発な政治・経済活動を展開するグループが生まれる。イスラム教では主としてシーア派の中からコーランの厳格な遵守を求めるイスラム原理主義が派生し、概してスンニ派は他宗教に対してより寛容的な現実主義路線を歩んで来た。

(4)後世に至ってテロリズムに走る過激派が派生したこと。日蓮宗からは血盟団事件の井上日召、イスラム教からはウサマ・ビン・ラディンが出ている。

但しこうした共通点は、それぞれの教典(法華経、コーラン)の内容からではなく、それぞれの時代における経済・社会の「上部構造」としてのみ説明可能であり、他の宗教と同様、宗祖がどのような人物であったのかを考える事の意味も、あまり大きくはないのである。

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