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2008年2月 8日 (金)

平田篤胤の呪縛

幕藩体制が揺らぎ始めた江戸時代中期以降、幕府は百姓・町人の不満を逸らすため、士農工商の枠外に置かれた賤民階級の分断・抑圧を強化した。神道思想のイデオローグ平田篤胤 (1776-1843)も「能く思へば夫も即神の御心で、かの旃陀羅を御悪ひ遊ばす」(『神敵二宗論』)として「旃陀羅」を排撃した。現代の日本人はいまだにこの呪縛から逃れられず、弱者に対する執拗なリンチを続けている。

こうした攻撃性は、かつての軍隊や一部体育会系部活における弱者へのリンチ、交通機関の職員に対する過激な暴言・暴力、教育現場にまで広がったクレーマーなどに見られ、またノンキャリほど顕著であるから、日本人のアタマではなく深層意識の中に深く根付いたものである事が分かる。最近では悪意のない失言をしたにすぎないアーティストに対する徹底的バッシング、相撲部屋におけるリンチ殺人、後を絶たないいじめ自殺なども同じルーツから発生している。このような弱者排撃は、どれも日本以外ではまず考えられないことばかりだ。身体障害者の歩行介助をしているとよく分かるが、エレベーターのドアを開けて待っていてくれるのはほとんどがアジア人なのだ。

日本人が未だに平田篤胤の呪縛から逃れられないのは不幸なことだが、もっと不幸なのは、クレーマーたち自身が江戸時代と同じように矛盾と不満を逸らすために権力から利用されていることに気がついていない事なのである。そして円が世界中の通貨に対して単独安を続ける背景には、こうした日本人の行動に対する世界中の投資家の強い違和感があるのではないかと感じる。円の長期ポジションは、やはりショート堅持が正解のようだ。

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