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2006年5月26日 (金)

リスク・マネーのスクイズ・その2(その1から続く)

 5月25日付FT社説LEXが、世界同時株安の環境下で今週ローンチされた二つのIPOを比較している。大成功のBOCと大失敗のVonageだ。BOCは香港に上場したが、機関投資家枠が12倍、個人投資家枠が76倍のオーバー・サブスクリプションになったとのこと。FTはこうした買いをfoolhardyの一言で片付け、人気の理由は中国の銀行銘柄の希少性にすぎないと断じ、嵐の中で勇ましく船出を敢行したがいずれスコールに見舞われる、と警告している。(WSJや日経ならここまでは言わない。いかにもFTらしい踏込みだ。)

 一方ネット電話で勇名を馳せる米国ITベンチャーの旗手Vonage社のIPOは、NY上場初日に株価が10%以上も下落するという惨状を呈したが、FTのコメントはVonage社の業績からして当然である、という冷めたもので、主幹事であるシティ・ドイチェ・UBS(それにしてもすごいメンバーだ!)の強気が裏目に出たのは安全資産に向かうリスク・マネーの潮流を読み誤ったからだ、と示唆している。

 日本でも今週の日経公社債情報が、IPOが打出の小槌であった時代は終った、とコメントしており、世の中は弱気一色だ。滑稽なのは世界中がベアばかりになっていることに気がついた村上ファンドで、大慌てで阪神株を阪急に何とか叩き売ってしまおうとあがき始めたが、今度は阪急に足元を見透かされた。星野仙一に見限られた上に、本日(26日)の朝日新聞「経済気象台」(キャプションは「オマハの賢人」)には「火事場泥棒的なあだ花」とまで揶揄される有様で、ロスカットに追いこまれる個人投資家が増加して行く中で急速にポピュラリティーを失いつつある。これが市場の潮目を読み違える怖さだ。リスク・マネーのスクイズの流れは、まだまだいろいろなところに意外な影響を及ぼしそうである。

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