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2006年2月 8日 (水)

2月のスタートはトリプル安

 2006年のスタートは株価・債券・円・商品がそろって上昇するクウォドルプル高であった(1月5日付「2006年のスタートはクウォドルプル高」参照)。ところが2月に入ると様相が一変し、商品価格以外はすべて天井を打って下落に転じた。トリプル安である。特にJGBの2月8日の終値は10年が1.58%、5年が0.97%と、「冬の個人向け国債」(10年変動0.68%、5年固定0.8%)を買った人達をあざ笑うがごとき展開だ。これをどう解釈すればよいのだろうか。

 まず、年初のクウォドルプル高の局面で失われていた株価と円債価格とのトレード・オフが依然として復活していない。需給的には銀行がJGB保有高を減らしていることが影響しているのだろう。今後は日銀の量的緩和終焉がいよいよ現実のものとなり、JGBに対する売り圧力はさらに増加するから、これからの円債価格は株価から独立していよいよ下落トレンド(金利の上昇)に入って行くだろう。

 日経平均は年初高のあと、一たんはライブドア・ショックを乗り越えてV字型の回復を見せたものの、回復局面を主導したのは大手不動産株で、姉歯ショックを吸収して指値では買えないほどの勢いで一気に相場を引っ張ったが、三菱地所の2700乗せあたりでさすがに目標達成感が出て2月8日には16300円割れまで失速した。昨年8月以降の株価が上昇一辺倒の不可逆的な動きであったのは、買いの源泉が日本株全体の過小評価が国際的に是正されるストック調整(中長期ポート構成の入れ換え)であった為だが、水準訂正が終了したため銀行株や輸出関連株にはもう昨年の勢いはなくなっている。今年に入ってからの株価はストック調整ではなく、個別銘柄ごとの材料に注目したフローで動くようになっており、好調な3月決算の株価への織込みが終って高値では利食い売りが出るという、典型的な循環的・双方向的価格変動パターンに変化してきた。これからの株価は昨年とは異なり、とにかく買っておけば儲かるというわけには行かなくなった。

 円安については、年初の円高がドルからユーロに流れた資金の「お裾分け」に過ぎなかったから、円の基調的な弱さは変っていないと言える。また円と円債価格とのコンベンショナルな連動性が復活し、円債価格との間でネガティブな循環が成立しているので、円債トレーダーは円も円債も安心して売れるという、妙な心地良さを感じている筈だ。

 そうなると今年のポートのポイントはやはり昨年来指摘してきた通り円債からのExitだが、Equityが最早本格的な受け皿にはなりにくいから、イールド・カーブを見定めつつショート先行で、こまめにマチュリティなどの中味を入れ換えて持ち値をメンテナンスして行くしかあるまい。円投外債は基本的には積み上げたいところだが、特にユーロの現在の141円台はチキン・レースの領域に入っているので、仕込むには慎重さが必要だ。いずれにしてもFixed Incomeは円にせよ外貨にせよポートのベースなので処分してしまうわけには行かないから、当面キャッシュを厚めにキープしつつ持ち値操作に徹するしかないようだ。今年はポートをデンと作って果報を寝て待つようなわけには行かなくなりそうである。

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