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2006年1月19日 (木)

マックスバリュとライブドア

 和田一夫と堀江貴文には共通点が多い。和田は再生したが、堀江はどうだろう。

共通点1.起業の年齢。八百半商店もオン・ザ・エッヂも20歳そこそこでの創業。

共通点2.買収・上場。買収対象企業の所在地が香港・中国か日本国内かの相違はあるが、買収企業の業種が本業とのシナジーからどんどん乖離し、上場によるキャピタル・ゲインが自己目的化して行った点が共通。

共通点3.エクイティ・トラップ(造語です)に嵌ったこと。エクイティ絡みの、株価の上昇が永久に続くことを前提としたファイナンスを企業買収資金調達に使い続けて墓穴を掘った点が酷似している。

共通点4.ビジネス・スタイル。和田「いつまでも十円の積み重ねではなく…」(1992年、朝日新聞取材)と堀江「国民はバカだから」(2005年、民主党岡田代表との会談)が示す通りいずれもトップダウンの即断即決型で、社内にリスクをコントロールする機能を作らなかった。一定の企業規模を超えるとトップダウン型リスク経営は機能しなくなる事に気付かなかったのである。

共通点5.マスコミにスポイルされたこと。和田は「アジアに軸足を置く日本企業の新しいビジネス・モデル」とまで言われた。堀江も「若者世代の新しい価値観を代表するIT産業の旗手」ともてはやされた。マスコミも本人も勘違いに気付くのが遅過ぎた。

共通点6.アンチ・エスタブリッシュメントを標榜しながらも実はエスタブリッシュメントへの強い憧れがあった事。和田は香港華僑と老朋友になれたと勘違いし、堀江は経団連に加入することでコンベンショナルな経営者としての自画像を描こうとしていた。

共通点7.自分の金と会社の金の区別がつかなくなって致命傷を負ったこと。桁違いのキャピタル・ゲインを狙うリスク資産への投資には個人資産を充てるべきところ、会社の金(外部負債と株主資本)を充ててしまった。華僑のトップダウン型リスク経営は個人資産で行われていることに和田は気付いていなかった。

共通点8.粉飾決算。どちらも経営危機を乗り切るために決算の粉飾に手を染めた。

 さて、2000年3月にヤオハンジャパンの更生計画が認可され、ヤオハンはジャスコグループ(現イオン、マックスバリュ)の支援の下、静岡県のローカル・スーパーマーケットとしての本業の原点に戻って出直しを図り、ヤオハンの名前が復活した。堀江も支援者を得て本来のITビジネスの原点に戻って一から出直せるだろうか。和田・堀江にはもう一つ共通点がある。どちらも一般大衆には大きな迷惑をかけておらず、損失を蒙ったのはリスクを百も承知の、自己責任を自覚している投資家だったことであり、この点が同時進行中の耐震強度偽装建築問題とは異なる。だからよいという訳ではないが、和田と堀江にはかくも多くの共通点があるにも拘らず、バブルのサイクルが一巡分違っただけで教訓が全く活かされないとあっては寂しすぎるから、何とか堀江の再生を期待したいと考える次第である。

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コメント

和田一夫は馬鹿経営者です。ただ、ソニーの海外戦略を真似て海外に進出しただけで、金色のロールスロイスを乗り回し、豪邸を造りながらも、簡単に従業員のリストラを断行していた。飯塚でカンパニードクターと云うが財務・人事・経営学など全く知らない。これが経営者といえるのですか。彼の口車に乗ってはいけません。講演も支離滅裂です。

投稿: tanaka osamu | 2010年8月19日 (木) 08時16分

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