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2005年12月 3日 (土)

ECBの利上げとユーロ

12月2日付FTがECBを賞賛する記事を掲載した。

12月1日、ECBがレポ金利を0.25%引き上げて2.25%とした。5年ぶりの引き上げである。ユーロ・ゾーンのCPIの推移を見てみると、2003年の半ばにレポ金利が2.0%に引下げられた当時は年率約2%であり、その後も安定的に推移していたが、今年後半に入って2.5%近辺までわずかながら上昇してきた。今回の利上げはこれを受けたもので、典型的なインフレ予防的利上げである。この日の市場は通貨の番人としてのECBのこうした教科書通りの行動に対して強い支持を表明した。ブンズの利回りが3.4%へと下落し、ダウ欧州株価指数は304.31と4年ぶりの高値をつけたのである。12月2日付FT(15面、Eric Lonerganによる署名記事)は、こうしたECBのオーソドックスな政策行動モデルがアメリカや英国、日本の中銀よりも優れていることがはっきりしてきた、としている。同感である。振返って見ると、1999年1月にユーロが発足した後ユーロ相場は下落を続けたが、この時ECBは為替介入を行わず、ユーロ安を放置した。その後ECB総裁人事をめぐる独・仏の対立もあり、ECBは通貨の番人としてのブバ(ドイツ中銀)の血統と遺伝子を果して受け継いでいるのか、各国間の政治的軋轢の谷間で独自の政策決定力を持ち得ないのではないか、といった事が懸念された時期があったが、ECBは今回の利上げによってそうした懸念を払拭し、「我はブバの嫡子なり」との宣言を行ったように感じられる。これに比べると、政治的圧力で量的緩和を終了できない日銀の独立性の弱さがどうしても目立ってしまうのだ。日経平均が15,000にまで上昇しているにもかかわらず、対ユーロでは141円台に乗せてしまった円の弱さの背景には、国際金融市場の中央銀行に対する信頼性の格差があるように思われてならないのである。

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