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2005年12月21日 (水)

来年の米株は弱気一色

クリスマスだというのに来年の米株見通しは弱気一色だ。たしかにNYダウは11,000ドルを目前にして足踏みを続けているが、なぜこんなに悲観論ばかり?と思って、19日にブルームバーグが紹介したPIMCOのポール・マカリーのコメントを原文で読んでみて、なるほど、と思った。

 PIMCOのウェブ・サイトに掲載されているコメントの原題はMEW Drag。ポール・マカリーは「MEWとは新種の猫ではなくモーゲージ・エクイティ・ウィズドローワルの略」と解説している。元々米国の住宅ローンについてはかねてから過熱警戒論が根強くあり、元本部分の返済を数年先からとし、当初は利払いだけにして資産価格の上昇を当てこむ「金利オンリー融資」が問題になっている。だがポール・マカリーが問題にしているMEWは、住宅の評価額から住宅ローンを差し引いた部分を担保として設定された使途制限のないクレジットライン(自宅のATM化)のことであり、これに関連してポール・マカリーは二つの注目すべき指摘を行なっている。MEWのサステイナビリティと海外からの資本流入だ。

 まず、MEWは新しい買い手の参入が永遠に続くことを前提にしているから元々サステイナブルなプロダクトではない、とポール・マカリーは言う。MEWが住宅価格を手の届かない水準まで押し上げてしまうので新しい買い手がいなくなるから、MEW自体の中に自壊のメカニズムが組み込まれている。つまりMEWはネズミ講と同じだ、と言っているのだ。(たまたまネズミと猫の話になってしまうが……)そうすると米国の住宅バブルの崩壊は単なる時間の問題だということになる。

 もう一つのポイントは、アジア通貨危機以降輸出志向を強めた新興国が今や貯畜不足から貯畜余剰に転じ、何かをファイナンスしなければならなくなった為、投資機会の乏しい国内からレバレッジの高い投資対象を提供できるアメリカに資本が流入した。だが住宅ブームの崩壊に伴い米金融当局は利下げに追い込まれるから、これが米資産への需要を減退させ、劇的な米株安・ドル安につながる、と言うのである。何やら井崎脩五郎めいた議論だなという気がしないでもないが、米国の住宅バブルがチキン・レースの段階に入りつつあるのは事実だろう。その崩壊がドルに波及する可能性を、来年のポートにはしっかり織込んでおく必要がある、と考えている。

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