郵政公社で投信、本当に買いますか?
郵便局で投信が買えるようになるというが、売る側の体制は大丈夫だろうか。
郵便局で国債を買った時のこと。購入手続きの最後に1枚の紙を渡され、「はい、というところに全部チェックを入れてください」と言われた。見ると、国債の元本変動リスクや売却時の経過利子などについて10項目程度で簡単に説明がしてあり、項目ごとに「十分説明を受け、納得しましたか。□はい、□いいえ」と書いてある。「何のための書類ですか?」と尋ねたところ「国債を買うために必要な書類です。一つでも「いいえ」があると買えませんよ」と教えてくれた。リスク自体の説明はなく、あくまでも必要な書類の一つという扱いであった。これで投信を売れるのだろうか。
銀行に投信窓販が解禁された時、リテール窓口でリスク商品を販売することについて銀行は2年以上をかけて慎重に準備した。郵政公社はどうするのだろうか。郵政公社の職員に証券外務員の資格を取らせるから大丈夫だ、という話もあるようだが、証券外務員は証券会社から内定をもらった学生が入社までの間に通信教育で取らされる資格で、これがないと入社しても顧客の電話さえ取らせてもらえないのだ。
また、郵政公社はどんな投信の品揃えをするのだろうか。報道によると低リスク型商品のようだが、どんな投資家が買うのだろう。証券会社なら預り資産の残高に応じてブック・ビルディングの当選確率が上がるメリットがあるから、低リスク型商品でもまとまって購入する投資家がいるが、郵便局の場合はこうしたメリットもないので資金が郵貯から多少シフトするだけに終わるのではないか。
だが郵便局ヘ行くと、情報化時代に対応できない数多くの高齢者の相談に職員が丁寧に応じている。郵政公社に期待される役割は投信を売ることではなく、これから更に増加するこうした高齢者が必要とする金融サービスを非営利ベースで提供する事ではないのだろうか。
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コメント
テレビのニュース番組で、ちょっと紹介されてました、
郵便局員のための投信販売セミナー。
講師の人が、
「基本は安く買って、値上がりしたら売ることです」
って教えてた。
回転売買を勧めて、手数料で稼ごうということでしょうか。一昔前の○○證券みたいだな。
ファンド・マネジャーが聴いたら泣きたくなるのでは?
投稿: 大豆 | 2005年9月19日 (月) 02時26分
大豆様
いつもコメントありがとうございます。ホントにそうですね。慣れない人にノルマをかけると、いつかとんでもないことに・・・・・・
投稿: Snape | 2005年9月19日 (月) 10時10分