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2005年9月23日 (金)

もうバブルが始まっているのか

前回のバブルは、誰もが「まだまだ」と思っているうちに気がついたら崩壊していた。今回はどうなのだろうか。日経平均が4年ぶりに13,000円台に乗ったが高値警戒感は出て来ていない。個人投資家には「まだまだ感」が強いが、デフレだデフレだと言っている間にいつの間にかバブルの真っ最中だった、という事はないのだろうか。

★3月決算の上場企業の経常利益は2004年3月期以来3期連続して過去最高を更新する見込み。(日経新聞調査)
★東京23区の基準地価が15年ぶりに上昇。
★東証一部の売買高が今週二日連続で過去最高を更新。

最近のこうしたニュースを見るにつけ、衆議院選挙が終ったにもかかわらず日銀が量的緩和終了宣言を躊躇している理由がますます分らなくなって来る。FRBなら既に2-3回は利上げを実施している環境である。1987年10月、ブラックマンデー直前の日本経済は過熱局面に向かいつつあり、金融引締め・公定歩合引上げがカウント・ダウンの段階にあったから、銀行の法人担当者は「ヤレヤレ、また金利引上げ交渉か」と、うんざりしていた。ところがブラックマンデー・ショックを恐れた日銀は大幅な金融緩和に転じ、結局これがバブルへの道に繋がったのだ。こうした教訓が活かされない筈はないので今回はあまり心配する必要はない、と思いたいが、一つ気になる事がある。ノンリコース・ローンだ。

ノンリコース・ローン(NRL)は特定の事業に融資し、返済原資をその事業から得られる収入に限定する融資形態である。融資対象事業が失敗して元利返済が不可能になった場合も、借入れ主体はその事業以外の原資から返済を行う義務はなく、融資対象物件の担保処分の範囲内でのみ清算する。「借りたお金は何が何でも必ず返さなければいけない」という「常識」を覆す融資なのだが、実は20年以上前からPF(プロジェクト・ファイナンス)として国際金融のプロの世界で使われていた手法だ。最近は不動産関連融資に利用されていて、銀行全体の融資残高が伸びない中で三大都銀グループプラス三信託のNRL残高は2004 年3月期の2 兆7500億円から2005年3月期には4兆2200億円に急増した。 これだけなら左程心配する必要はないが、気になるのはNRLが地域金融や個人向けの住宅資金、アパート建設資金などのリテール金融に使われていることだ。

PFは別名ストラクチャード・ファイナンスと言われるほど、リスクを細かく分析・分解してリスクの種類ごとにリスク回避策を講じながら一件ごとに融資の仕組みを構築・組成(ストラクチュア)して行く手法であり、リスクの扱いについての最先端のノウハウが必要とされる。「お金を借りても必ずしも返さなくてよい」というファイナンス形態であるからこそ、細心のリスク管理がセットされているのだ。中小企業・個人セクターへの貸付け競争が激化する中、地域金融機関が「リレーションシップ・バンキング」の大号令の下でリスク分析・管理に関するノウハウの周到な備えなしに営業現場にノルマをかけ、「バスに乗り遅れるな」とばかりビジネス先行を煽るとすれば、それはいつか来た道にほかならないのである。

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