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2005年6月16日 (木)

円相場の予測には何と!国際収支がオススメ。

 外国為替相場の長期的トレンドを高い精度で予測できれば「果報」を寝て待つ事が可能になる。何度も言っているように外国為替相場もマグロやキャベツと同様需要と供給のバランスで決まるので、需給関係をうまく予測できればよいわけだが、円/ドルの場合は需給の変化を表す指標として何と国際収支が役に立つ。まさか、経済学の教科書じゃあるまいし!と思うかもしれないが、嘘だと思ったら、統計学の素養があれば相関分析をやって見て下さい。統計学に馴染みのない人は、同じグラフ用紙に経常収支と円/ドルの推移をプロットして見て下さい。

 ブレトンウッズ体制が崩壊して円が変動相場制に移行して以来、1970年代いっぱいは円/ドルと日本の経常収支は見事に連動している。1980年代前半は経常収支との相関は消えるが、当時の国際収支統計にあった長期資本収支を加えた「基礎収支」(実質は経常収支に直接投資の収支を加えた実需取引の収支、と考えてよい)のレベルで見ると高い相関が確認できる。1980年代後半になるとバブルの最盛期に入り、為替取引の主体がデリバディブを含むコンティンジェントになってしまう為、さすがに国際収支は需給分析の役に立たなくなる。ところが1990年代に入ると、バブルが崩壊してブラウン運動のようなコンティンジェント取引が減ってきたため、ドル/円は資本収支に連動するようになる。ここで言う資本収支とは、経常収支と外貨準備増減から逆算して求めたもので、誤差脱漏を含めて経常収支以外の全てのオン・バランスの外貨取引の合計を表す、1999年に私が日本貿易学会で発表した概念である。

 2000年代にはいると、デフレが長引く中でコンティンジェント取引が一段と影をひそめたため、ドル/円は再び経常収支と高い相関を示すようになる。ただ今後は、日本経済がデフレから脱出したため、上記の資本収支との相関が再び強まる可能性が高い。そうなれば円安は確実だ。実は平均105円前後で腹いっぱいドルをロングにしてあるので、まだまだ果報を寝て待つ日々が続きそうである。

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